To be,To be,Ten made To be 中村亘利 ボーイズラブ文庫


「川野達には、よけいなことを言うなよ」。吸い上げるような、ついばむような、優しいキス。

「見返りを求めない善意を嫌いな相手から受けるより、これは正当な取引だと自分に言い聞かせる方をリオンは選び、おれはそれにつけ込んでキスを要求した。何もおかしいことはない」。

雅之は軽く伸びをして、覗き込むようにしている忠志に唇を近づけた。「いま、俺が抱えてる問題」。「あとは、痛い、とか言わないようにしないと…」。海は一瞬どうしようか考え、正直には正直で答えようと頷いた。優一はまるで労るような―――大切な宝物を優しく手の中で愛でるような立花のキスを受けながら、嬉しさのあまり思わず泣き出してしまっていた。嘉瑞は見事、またしても高敏の仕掛けた陥穽にはまった。

ジュリエット略奪戦の戦火を必死にかい潜《くぐ》って、春樹は生徒会室に飛び込んだまま中から鍵を掛けて、外部の者を一切寄せ付けずにいたのである。「…話は変わるが、おまえに仕事の依頼だ」。だけど、杏の顔は、意に反して赤くなる。優一は一瞬、懸命にその唇から逃れようともがいた。(ふ〜ん。彼に抱かれていると、何も恐いものなどないような気がしてくる。真琴が眉を寄せて渋い顔をしていると、鹿島に何気なく肩を抱き寄せられ、顎を指で掴まれた。

「少女歌劇の男役か?」。ケニーの言う好きが肉体関係を含めた好きなのかどうかで諒は少し不安になった。

まったく覚えのない僕は離れていく手を必死に掴み、懸命に首を振る。でも現実の夜は、ただ早く過ぎてほしいばかりの暗がりでしかない。どういうことなのだろうか?この者の祖先はなぜ地王様の名を知っている?それに妾が無理に頼み、地王様がこの西の砂漠の地に水晶宮を築いたのはつい先頃の話。急に上半身を裸にされ、まったく訳のわからない僕は瞬也の手を振り払いベッドの上で起き上がりながら言う。


ボーイズラブ小説作品紹介


友人のバースデイパーティに、恋人のトオルと出席した飯島は、そこで妖艶な瞳を持つ若い女性・ユキを紹介された。飯島に一目惚れをしたユキは、二人きりになると、あからさまな誘いをかける。ゲイばかりの集まりに、恋人同伴で来ているにもかかわらず、女性から誘惑された飯島は驚きを隠せない。しかし、異性を相手にできない飯島も、じつはユキが男性だったとわかると……。

タイトル:終わらない週末オンリー・ワン
著 者 名:有馬さつき
レーベル:アクア文庫
発 行 元:講談社

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