大ニノ 柴木丈瑠 ボーイズラブ文庫


「ああそう、死んで……って、えええええええええ!?」。

いつ誰が入って来ても、不思議はない空間なのだ。(あいつがいいのは、ホントーにホントーにツラの皮一枚だけ!オ、オレがどれだけあいつに煮え湯を飲まされ続けてきたか……!)みんな知らないのだ。「………」。唇と唇が触れ合っているのは分かるのだが、突然のことに頭がボーッとしていて、それがキスだとは思いつかなかった。そんな嘉瑞を、高敏が呼び止めた。「あなたは、光の魔術師サーファではありませんか?」。たった数秒で服を着て髪まで整えた高敏の神業に驚愕しつつ、嘉瑞はその様子を眺めた。

ゆっくりと勇一郎の顔が動いて、七重はじっ、とその瞳に見つめられた。責めたてられた腹部の奥が、疼く痛みを放っている。

見飽きることは決してないが、見慣れることはある。償って死ななければならない。実際いつの間にか、脱衣所で座っている男は温泉に浸かろうとしてここに来たのだろう。ていうか、ちょっと待って!なんで、キスなんかされてんのーっ!?「んっ…んっ…」。

嘉瑞の襟首を後ろから掴んで、さっさとマンションのエントランスに向かって歩き出したのは高敏だった。絶対に聞けないセリフ。そんなことすら考えられない。しかし高敏も、おいそれとは鍵を渡さない。香織のほうこそ、志紀を失いそうでずっと怖かったと彼を見つめる。「七重…。俺も同じや」。


ボーイズラブ小説作品紹介


15年振りにスイスから帰国し、日本に馴染めずにいた高宮は、ある日、珈琲の薫りに誘われて一軒のカフェへと辿り着く。そこで出会った優雅で美しいギャルソン・楽に次第に惹かれていき――。※イラストは含まれていません。

タイトル:カフェラテの純愛
著 者 名:剛しいら
レーベル:B−cube
発 行 元:フロンティアワークス

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